ロシア下院選挙が12月4日行われた。
イタル・タス通信社アジア太平洋総局長・元東京支局長ワシーリー・ゴロブニン氏は、プーチン不人気の原因の第1は経済・社会的な停滞で、多くのロシア国民が不満を抱えているという。給料が一向に上がらず、一方では物価が高騰し続けているインフレ傾向のなかで、官僚の汚職はなくならず、社会的格差が広がりつつあることだという。ウズベキスタンなど中央アジアから労働者が大量に流入し、彼らの犯罪が増え、ロシア人との社会的、文化的な衝突を起こしている。一方で、ロシア・ナショナリズムの高揚があり、プーチンもある面ではこのナショナリズムを利用してロシア正教を巧みに使っている。外国労働者とロシア人の間で傷害事件が度々起っている。
北カフカスの問題では、チェチェン戦争を終結させたのはプーチンの功績の一つだが、カドイロフ政権のチェチェンが独立国家のような振る舞いをしていること。中央から巨額の補助金をもらいながら、イスラムの法にのみ従うというありさまで、クレムリンもほとほと手を焼いている。
インターネットを見ると、プーチン攻撃が強まっており、反プーチンの色彩が強い。
ロシアの世論調査機関「レバダ」の最新調査(11月11日)では、「プーチン首相の仕事ぶり」に対して肯定的(支持する)と答えた回答者は67%、否定的(支持しない)は32%、回答なし1%だった。プーチン支持率が昨年2月、5月は80%だったころに比べると明らかに低下傾向にある。否定的な回答も、20%台から30%台に上がっている。
11月20日にモスクワのオリンピック・スタジアムで開催された異種格闘技大会会場で、米ロ選手の試合でロシアの選手(日本のリングにもしばしば登場してなじみのあるフョードル・エメリャネンコ)が勝った後、リングで挨拶に立ったプーチン首相が観客から大ブーイングを浴びせかけられたことはすでに知れわたっている。プーチン人気の衰えを垣間見ることができる。
ロシア最大の実力者で来年3月の大統領選挙では当選確実が既成事実といわれるプーチンの不人気の理由は何か。多くの国民はプーチン政治に飽きており、新しい指導者を求めているのだ。しかしプーチンに対抗する有力政治家はいないし、現れそうもない。
プーチン人気の陰りに比例するように、次回選挙での与党の議席減少が予測されるが、それでも6割以上の支持率は保全されるであろう。
ツイターで報じたように、前記レバダの11月11日調査によれば、7%条項(全投票数の7%以上の得票)を突破し議席を獲得しそうな4党の支持率の内訳は「統一ロシア」56%、ロシア共産党21%、ロシア自由民主党13%、公正なロシア10%だった。予想される議席(450)の割り振りは、それぞれ、253、94、59、44となっている。これは、「統一ロシア」の現有議席315を62議席も大きく下回ることになり、憲法改正に必要な3分の2(300議席)に達しない。
前回07年12月の選挙では、「統一ロシア」は64・30%だったのに対して、直前の世論調査(同じレバダ実施)では、支持率66%となっていた。つまり実際の得票は、予想を下回っていたのである。今回も、実際の結果は予想支持率を下回る可能性があると予想される。
下院選挙での与党「統一ロシア」の苦戦は予想される。支持率低下になると、選挙戦を仕切るメドベージェフ(同党の比例代表名簿筆頭候補)の責任になること必須。
2011年12月10日土曜日
2011年11月19日土曜日
サハリン紀行ー7
やわらかく暖かい陽射しで10月にしては温暖。食事も野菜や果物が多く使われ美味しかった。海岸風景も開けていて清々する光景が広がる。
サハリン紀行ー6
サハリンは地図で見るとわかるが、南北縦に細長い。従って北の方はかなり気候が厳しいのだ。10月初旬でも雪が降り始めている。写真はユージノサハリンスクから陸路12時間かけて終点アレクサンドロフスクにたどり着き、朝食にありついた簡易食堂。”白樺”とロシア語で書かれた看板が無造作につっ立っている。中は簡素だが、衛生的なただずまい。昔に比べれば随分清潔になったもんだ。ふつうこの手の安食堂だと薄暗くて、ゾローとした感じだが、ここは思いっきり明るくきちんとしている。石油掘削でここを訪れる外国人の好みを学習したのだな。概してロシア人は衛生には無関心。昔から主婦は意外とだらしないのが多いのだが。
食事はふつうのロシア人が食べるマーンナヤ・カーシャ(ロシア風お粥)とバターと白パン、紅茶のそっけないもの。今回サハリンを訪れておいしい黒パンには一度も出会わなかったのは残念。私が好きなのはオルロフスキー黒パンとドクトルスカヤ・カルバサーだ。
食事はふつうのロシア人が食べるマーンナヤ・カーシャ(ロシア風お粥)とバターと白パン、紅茶のそっけないもの。今回サハリンを訪れておいしい黒パンには一度も出会わなかったのは残念。私が好きなのはオルロフスキー黒パンとドクトルスカヤ・カルバサーだ。
サハリン紀行ー5
サハリン北部アレクサンドロフスクのドウエ海岸の番小屋で楽しい乾杯風景。
もちろん酒はサハリンで生産されているウオッカだ。研究者が用意した黒パンと自家菜園のきゅうり、ハムのブッチェルブロード(オープンサンドイッチ)。
豪華な食事でなくともこういう素朴なもてなしを精いっぱいするのがロシア人気質だ。
私は何十年もこういうロシア人気質に惚れ込んでスラビストを続けている。
もちろん酒はサハリンで生産されているウオッカだ。研究者が用意した黒パンと自家菜園のきゅうり、ハムのブッチェルブロード(オープンサンドイッチ)。
豪華な食事でなくともこういう素朴なもてなしを精いっぱいするのがロシア人気質だ。
私は何十年もこういうロシア人気質に惚れ込んでスラビストを続けている。
2011年11月18日金曜日
2011年11月13日日曜日
サハリン紀行ー3
サハリンに住むロシア人の世代間格差は想像を絶する。何についての世代間かと言うと知見と教養の差であろうか。1991年を境にして断絶があるようだ。即ち40代の人々の教養度と20代のそれとは格段に断絶があるようだ。20代の連中はサハリンの天然ガス開発のさなかに生まれた連中でアメリカの新自由主義に毒された連中だ。教養もないし、世界認識の方法論が確立されていないから、外部の金銭的価値でものを判断しがちだ。それでよく街の広場の中央にレーニンがあっても違和感を感じないだろうね。不思議だ。子供のころから見慣れているから、違和感もない代わりに特別の感興もわかないのだろうね。戦争と平和に出てくる有名な将軍の名前の付いた高級レストランー確かバグラチオンだったか、そのレストランの若いボーイでも自分が勤務しているそのレストランの名前の由来がわからないのだから呆れる。ただ時間給何ルーブルもらえるかのほうがずっと興味があるのだろう。まさにアメリカの新自由主義が遠く離れたこの極東の地で跋扈しているのだ。小学校の校長30代後半の女性にコロンタイについて論じようとしても彼女は論ずることができないのだ。何故?知らないからだ。モスクワから遠く離れているからそんな知識にありつけないという始末。いい加減にしろ。知識を得るのに空間的格差はないはずだ。これでは女性の問題と初等教育を論じたくともロシアの女性教育に影響を与えたコロンタイの知らないのではお話にならない。がっかりした。
2011年10月17日月曜日
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