2011年11月13日日曜日
サハリン紀行ー3
サハリンに住むロシア人の世代間格差は想像を絶する。何についての世代間かと言うと知見と教養の差であろうか。1991年を境にして断絶があるようだ。即ち40代の人々の教養度と20代のそれとは格段に断絶があるようだ。20代の連中はサハリンの天然ガス開発のさなかに生まれた連中でアメリカの新自由主義に毒された連中だ。教養もないし、世界認識の方法論が確立されていないから、外部の金銭的価値でものを判断しがちだ。それでよく街の広場の中央にレーニンがあっても違和感を感じないだろうね。不思議だ。子供のころから見慣れているから、違和感もない代わりに特別の感興もわかないのだろうね。戦争と平和に出てくる有名な将軍の名前の付いた高級レストランー確かバグラチオンだったか、そのレストランの若いボーイでも自分が勤務しているそのレストランの名前の由来がわからないのだから呆れる。ただ時間給何ルーブルもらえるかのほうがずっと興味があるのだろう。まさにアメリカの新自由主義が遠く離れたこの極東の地で跋扈しているのだ。小学校の校長30代後半の女性にコロンタイについて論じようとしても彼女は論ずることができないのだ。何故?知らないからだ。モスクワから遠く離れているからそんな知識にありつけないという始末。いい加減にしろ。知識を得るのに空間的格差はないはずだ。これでは女性の問題と初等教育を論じたくともロシアの女性教育に影響を与えたコロンタイの知らないのではお話にならない。がっかりした。
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