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2012年8月11日土曜日

中国辺境の旅ーその3


中国のインターネット事情

ハルピンの街中ならどこへ行っても、どんなお上りさんでもケータイ片手にでかい中国語でガンガンまくしたてながら歩いている姿によくお目にかかる。(隣の北朝鮮では人口がすくないので当然だが今現在保有高は100万台だ。)

中国では、インターネット人口が55000万人、携帯電話やスマートフォンのメールを操る人口も6億人以上にのぼる。中国政府もそのインターネット対策に頭を悩ましているようだ。ウエイボーがきっかけで発覚した事件としては、日本の王子製紙の排水垂れ流しを
危惧した住民が排水ポンプ敷設を中止させた事件はごく最近報じられた。余談になるがこの王子製紙は曲者で、戦前サハリンで王子製紙王国を創り、サハリンの木を散々伐採したことはこれまで徹底的に隠されていた。環境保護の見地からは第二次大戦で日本が敗戦国になりサハリンから退去したことはよかったともいえるのだ。
またかの有名な事件、薄煕来・中央政治局委員の失脚劇で、「腹心の王立軍・重慶市副市長が米国総領事館に駆け込んだ」「微博」(ウエイボー)がきっかけ。これまで政権中枢の動きは、外部不出だったが、ウェイボー上の情報が重要な役割を果たした。 「今や中国は世界最大ネット大国。共産党政府も情報のコントロール不可」(中国メディア幹部)、当局は、これらネット情報が飛び交う状況を政府批判につながり、反政府運動を誘発しないかと憂慮している。中国当局が警戒しているのが、ネット上で、物価高、就職難、貧富の差などの広範な国民が抱える不満により、反体制運動に結び付きやすいことだ。中国当局は5万人ものネット監視員を動員し、24時間態勢でユーザーの書き込み内容、言論を監視・削除している。さらには巨額の費用を投じて「グレート・ファイアーウォール」(海外サイト閲覧制限)などシステムを構築しているが、インターネットユーザーすべての言動をチェックすることは不可能だ。8月上旬当方が中国滞在中にもテレビで2015年までにウェイボーをもっと整備するのだとしきりにニュースで報じていた。

インターネットの影響力が強まっていることについて中国政府幹部は「経済のグローバル化や政治の多極化、技術の進歩がすさまじい勢いで押し寄せている。新旧メディアの境界、国内と国際問題の境界がなくなった。政治や文化などの問題も境界がなくなっている」と指摘、メディア管理を最重要課題として位置付けているようだ。 グローバル化の進展により、様々な事象が一般庶民にも視
覚化され、秘匿されている部分が透明性を帯びてくる。これはある意味ではグローバル化の功罪のうちの数少ないいい点であろう。中国当局は常に内省変革を目指さないととんだ局面で大衆の思わぬは反撃に遭うことは必須だろう。



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